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【介護の誤薬で辞めたいとき】落ち着いてから決めていい|特養職員の体験

朝食後の特養の食堂で、席に座って考え込む60代の男性介護職と、肩に手を置く同僚(イメージ) 介護の仕事と体づくり

誤薬に気づいたとき、「もう介護を辞めたい」と思いますよね。始末書のことや責任のことで、頭がいっぱいかもしれません。

利用者さんの体に関わることだからこそ、「自分は介護に向いていないのかな」と不安になるのは当然です。

私は60歳で介護の仕事を始め、今は特養で働く67歳です。実は私も、特養で働き始めて1年目に、別の利用者さんの薬を飲ませてしまいました。

2年目には、薬が口元からこぼれて見つからなくなる落薬もしています。

この記事では、誤薬のあと職場でどうなったか、私が辞めずに続けている理由、施設の与薬マニュアル(二重チェック)をお話しします。

読み終えるころには、この先に何が起きるかが分かり、少し落ち着いて考えられるはずです。

誤薬(落薬含む)は、私の施設ではほぼ毎月発生しています。あなただけではありません。辞めるかどうかは、気持ちが落ち着いてから決めても遅くありませんよ。

誤薬で辞めたいのは当たり前。私もその瞬間は思った

誤薬をして辞めたいと思うのは、当たり前のことです。私も、誤薬に気づいた瞬間は辞めたいと思いました。

日曜日の朝食後、空の薬袋を見て驚く60代の男性介護職(イメージ)
※画像は生成AIで作成したイメージです

特養で働き始めて1年目、日曜日の朝食後の与薬でした。利用者さんに薬を飲ませたあと、薬袋の名前を見ました。別の利用者さんの名前でした。

誰かに言われたのではなく、自分で気づきました。

利用者さんには、すぐに「すみません」と伝えました。

周りの職員に状況を報告しているうちに、少しずつ落ち着いてきました。冷静になると、「次から気をつけよう」と思えました。

ただ、気持ちはすぐには切り替わりませんでした。誤薬のことが頭から離れず、与薬の担当から外してもらうことを、真剣に考えました。

私の場合、辞めたい気持ちがいちばん強かったのは、気づいたその瞬間でした。

誤薬に気づいたら看護師へ報告し、始末書を書いた

誤薬に気づいたら、自分だけで判断せず、すぐ看護師さんに報告します。

ナースステーションで看護師に報告する60代の男性介護職(イメージ)
※画像は生成AIで作成したイメージです

薬が体にどう影響するかは、介護職には判断できないからです。

私の場合は、次のように進みました。

  1. すぐ看護師さんに報告した
  2. 看護師さんから嘱託医に報告した
  3. 医師の指示で、24時間バイタル(体温・脈拍・血圧・血液中の酸素の値)を測った
  4. 間違えた薬が漢方薬だったためか、異変はなかった

看護師さんへの報告と、周りの職員への説明を済ませてから、残りの勤務に戻りました。

そのあと、施設長あての始末書を書きました。書いたのは、起きたこと・原因・今後の対策の3つです。

原因は、忙しくて確認の手順を省いたことでした。日曜日で職員が少なく、朝食後の与薬に集中できない状況がありました。

事務室の机で始末書を書く60代の男性介護職(イメージ)
※画像は生成AIで作成したイメージです

家族への連絡は、ケアマネさんがしてくれました。家族には、ケアマネさんがこの始末書をもとに原因と対策について説明しました。

誤薬のあとにしたことは、報告・経過観察・始末書の3つです。

誤薬は重大事故。しかし、私の施設ではほぼ毎月発生している

私の施設では、誤薬と落薬は重大事故の扱いです。毎月の報告書に載ります。

介護職員と看護師がテーブルを囲んで落ち着いて話し合う(イメージ)
※画像は生成AIで作成したイメージです

それでも、私の施設では誤薬(落薬含む)がほぼ毎月発生しています。誤薬をしてしまうのは、あなただけではありません。

私が誤薬をしたとき、家族の言葉は「気をつけてください」でした。上司からも、それ以上のことは言われませんでした。

誤薬のあとも、私は薬の担当を続けました。重大事故でも、一人を責めて終わりにはなりませんでした。

落薬も薬の事故。口元からこぼれた薬が見つからなかった

落薬とは、薬を落としてしまう事故のことです。私の施設では、誤薬と同じく重大事故の扱いです。

食堂のテーブルの下で、落ちた薬を探す介護職(イメージ)
※画像は生成AIで作成したイメージです

特養で働き始めて2年目に、利用者さんに薬を飲ませようとして、薬が口元からこぼれました。探しましたが、見つかりませんでした。

すぐ看護師さんに報告し、薬を出し直してもらいました。落とした薬が見つからないときも、まず看護師さんに報告します。

誤薬は1回ですが、落薬はこれまでに数回あります。認知症で、薬を飲んでもらうのが難しい利用者さんもいます。

タイミングよく薬を口に入れないと、吐き出してしまう利用者さんもいます。これは、職員にとってもストレスになります。

落薬を防ぐには、利用者さんごとの特性をつかむしかありません。

誤薬を防ぐ二重チェック。忙しくても手順を省かない

私の施設には、二重チェックの与薬マニュアルがあります。私が誤薬をする前からあり、これまでの誤薬事故の経験から作られたものです。

2人の介護職が薬袋と利用者の顔写真を一緒に確認する二重チェック(イメージ)
※画像は生成AIで作成したイメージです

二重チェックが以前からあるのは、それだけ誤薬や落薬が多いということです。

手順は次の4つです。

  1. 与薬の担当が、薬袋の名前と利用者さんを確認する
  2. 別の担当が、同じ確認をする
  3. 薬を飲んでもらう
  4. 使った薬袋はケースに戻す。全員が終わったら、利用者さんの名前と薬袋の名前を照らし合わせる

手順4は、飲ませたあとでも間違いに気づけるようにするための手順です。私の誤薬も、飲ませたあとに薬袋の名前を見て気づきました。

与薬のあと、使った薬袋をケースに戻して確かめる介護職(イメージ)
※画像は生成AIで作成したイメージです

ただ、気づくのは早いほど安心です。名前の確認を、飲ませる前に2人で行うのがこのマニュアルです。

大事なのは、忙しくても手順を省かないことです。私の誤薬も、職員が少ない日曜日に手順を省いて起きました。

あわせて読みたい:介護の人員配置基準3対1はおかしい?【特養の勤務表】朝は1人で35人の日も

辞めずに続けられたのは、責める職場ではなかったから

私が辞めなかった理由は3つです。

休憩室で同僚2人に声をかけられる60代の男性介護職(イメージ)
※画像は生成AIで作成したイメージです
  • 誤薬のあと、家族からも上司からも責められなかった
  • 誤薬(落薬含む)は、私の施設ではほぼ毎月発生していると知った
  • 二重チェックの手順を守れば、同じ間違いは防げると分かった

事故は必ず起きるもので、起きたあとにどうするかも仕事の一部です。今は、そう考えています。

ミスをしたときは、「私もやったよ」と言ってくれる仲間にも助けられました。

今は、同僚が誤薬をしたとき、私は何も言いません。肩をポンと叩くだけです。

続けるかどうかを決めたのは、職場の雰囲気です。冷たい視線を向ける職員も、数人はいました。ただ、それは職場全体の雰囲気ではありませんでした。

個人を責めるような雰囲気があれば、私は辞めていました。辞めるか迷ったら、一人ひとりの反応より、誤薬のあとの職場全体の雰囲気を見てください。

当時は1日8時間勤務で、与薬は毎日の業務でした。だから、誤薬のあとも与薬の仕事を続けました。

今は1日6時間のパート勤務で、与薬の業務はありません。もしあなたがパート勤務なら、与薬は断ってもいいと思います。

次の職場を探すなら、介護専門の求人サービスを使う方法もあります。

誤薬のほかに起こしたミスと、その後どうなったかは、60代、仕事でミスばかりは年のせい?|ミスが減った7つのことに書きました。

介護の誤薬でよくある質問

Q. 誤薬をしたらクビになりますか?

A. 私はなりませんでした。始末書を書き、そのあとも薬の担当を続けました。

Q. 誤薬は利用者さんの家族に伝わりますか?

A. 私の施設では、ケアマネさんから家族に連絡しました。家族は状況を理解してくださったようで、「気をつけてください」とのことでした。

Q. 誤薬のあと、薬を配るのが怖くなりませんか?

A. なりました。誤薬のことが頭から離れず、与薬の担当から外してもらうことも考えました。それでも、業務は続けました。

Q. 始末書は誰に出しますか?

A. 私の施設では、施設長あてです。家族には、ケアマネさんがこの始末書をもとに原因と対策について説明しました。

Q. 同僚が誤薬をしたら、何と声をかけますか?

A. 私は何も言いません。肩をポンと叩くだけです。

まとめ:誤薬で辞めたいなら、落ち着いてから決める

  • 誤薬で辞めたいと思うのは当たり前。私もその瞬間は思った
  • 気づいたら、すぐ看護師さんに報告する
  • 誤薬(落薬含む)は、私の施設ではほぼ毎月発生している
  • 防ぐには、二重チェックの手順を忙しくても省かない

辞めるかどうかは、気持ちが落ち着いてから決めても遅くありません。私は誤薬のあとも、特養で働き続けています。

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