介護職は何歳まで働けるのか ― 67歳・7年目、週24時間という続け方

介護の仕事と体づくり

「介護の仕事は、何歳まで働けるのか」

私は67歳です。60歳のときに未経験でこの世界に入って、いま7年目になります。今の職場は特別養護老人ホームで、8時から14時までのパート。週4日、あわせて週24時間です。

同じことを考えている方は、多いと思います。50代のうちから体力の変化を感じて、この先いつまで続けられるだろうかと気になってくる。私も同じでした。

先に結論を書きます。介護職に年齢の上限はありません。ただ、60代で本当に問われるのは「何歳まで働けるか」ではなく、「どんな形なら続けられるか」です。

私自身、7年のあいだに働く時間を2回減らしています。フルタイムから始めて、今の週24時間に落ち着きました。減らした理由と、その決め方を書いておきます。同じことで迷っている方の判断材料になればと思います。

仕事へ向かう朝の空

まず結論 ― 年齢の上限はない。変わるのは「働く形」

今の職場には、定年も年齢の上限もありません。入るときに確認しました。「体が丈夫であれば、いつまででも働けますよ」と言われています。

これは私の職場の話で、すべての施設がそうだとは言えません。定年を60歳や65歳と決めている法人もあります。ただ、少なくとも「60代だから雇ってもらえない」ということは、今の介護の現場では起きにくいと感じています。

だから、年齢そのものは壁になりませんでした。壁になったのは別のものです。順番に書きます。

木の手すりがついた介護施設の廊下

60歳から67歳まで、私が歩いた4つの職場

7年間で職場を4つ経験しました。今は特別養護老人ホームです。それぞれの職場のことは60歳から始めた介護の仕事に書きました。

そのなかで、私より年上の職員にも何人か会っています。印象に残っているのは、今の特養にいた73歳の男性です。

週4日、夜勤専属です。夜勤だけを引き受けて、日勤には入らない働き方でした。2年ほど勤めたあと、「夜勤はやはり体にきつい」ということで退職され、別の職場に移られています。

辞めた理由が年齢ではなく働き方だった、というところが大事だと思っています。夜勤専属でなければ、まだ続いていたかもしれません。

もう一人、83歳の女性もいます。今も一緒に働いています。介護の補助員として、週2回、11時から13時までの2時間だけ入る働き方です。明るい方で、話していると楽しくなります。

73歳で週4日の夜勤。83歳で週2回、2時間。どちらも私の職場に実際にある働き方です。年齢で線が引かれているわけではありません。時間の長さも仕事の中身も、いろいろな形があるということです。

ベンチで休む年配の男性

60代で本当に効いてくる3つの壁

年齢ではなく、この3つが実際に効いてきました。

1つめ ― 体力の壁。「もう無理かも」と思った日

正直に書きます。「もう無理かもしれない」と思ったことが、何度かあります。

一つは、老人保健施設にいたころです。ベッドから車いすへ移っていただく介助の途中で、事故を起こしました。もう一つは今の特養で、見守りをしている最中に、利用者さんがリクライニング車いすからずり落ちて腰を打たれたことです。

どちらも事故報告書を書きました。老健には施設に医師がいるので、その場で診ていただいています。特養のほうは病院を受診しました。骨折などはなく、大事には至っていません。

それでも、こたえます。

気をつけなければいけない、と思う気持ちと、落ち込む気持ちが同時に来ます。その瞬間は「もう無理かな」と思いました。歳のせいだろうか、と考えてしまう。

それでも、次の日にはまた職場に立っています。

記録用紙に書き込む職員の手元

2つめ ― 続けられても、同じ仕事とは限らない

これは私自身がまだ経験していないことですが、書いておきます。

定年のある職場では、そのあと「再雇用」という形になります。このとき、雇用は続いても役割や勤務の形が変わることがあります。正職員から非常勤へ、担当していた仕事から別の仕事へ、という具合です。

この話でつまずく方は少なくないようです。働き続けられること自体はありがたい。でも、長くやってきた仕事から外されるのは、気持ちの面できつい。

だから「何歳まで働けますか」だけでなく、「そのあとはどんな仕事になりますか」まで聞いておいたほうがいいと思います。私は入るときに定年のことは確認しましたが、そこまでは聞きませんでした。

電卓で生活費を計算する

3つめ ― お金の壁。年金と働く時間の折り合い

働く時間を減らすかどうかは、体力だけでは決められません。減らせば収入も減ります。

私は年金の受け取りを、65歳ちょうどではなく1年1か月ほど繰り下げました。そのぶん年金額は少し増えています。そのうえで、自分の生活費を計算しました。

出た答えが、「働いて得る分が月10万円ほどあれば、ある程度ゆとりを持って暮らせる」でした。ここから逆算して、週24時間という今の形になっています。

もう一つ、時間を決めるときに外せなかったのが社会保険です。私の職場では、週20時間以上の契約であれば全員が社会保険の対象になります。ここを切ってまで時間を減らすつもりはありませんでした。

パートで働く人の加入条件は、厚生労働省の特設サイトに出ています。2026年8月時点では、次のすべてを満たすと対象です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上(2026年10月にこの条件は撤廃予定)
  • 2か月を超えて雇われる見込みがある
  • 学生ではない
  • 勤め先の従業員数が51人以上(2027年10月からは36人以上へ広がります)

私も以前は「1年以上の勤務」が条件だと覚えていましたが、今は「2か月を超えて」に変わっています。条件は数年おきに動きます。最新のところは厚生労働省のページで確かめてください。

年金をいつから受け取るかも、人によって有利不利が変わります。私の判断がそのまま当てはまるとは限りません。ご自身の場合は年金事務所へどうぞ。

壁の時計

私の働き方は、3段階で変わりました

7年間の実際です。

時期働き方週の時間変えた理由
60〜63歳1日8時間・週5日週40時間未経験で入り、まず仕事を覚えるため
63〜65歳1日8時間・週4日週32時間疲れが残るようになった
65歳〜現在1日6時間・週4日週24時間体の変化と、生活費の計算から

最初の3年は週40時間でした。未経験で入ったので、まず仕事を覚えるのに必死だったからです。63歳のころ、休みの日に疲れが抜けなくなってきました。そこで週4日にしました。65歳で、1日の勤務そのものを8時間から6時間に短くしています。

減らし方で一つだけ決めていることがあります。

きつくなってから減らすのではなく、きつくなる前に減らす。

限界まで我慢してから辞めると、たいてい介護の仕事そのものを辞めることになります。体を壊してからでは、選び直しがききません。「まだいけるが、前より疲れが残る」という段階で1日ぶん、1時間ぶんと減らしていく。そうすれば仕事そのものは続きます。

60歳のときの私に一つだけ伝えられるなら、これを伝えると思います。

67歳が週2回通っている市営ジムのトレーニングルーム

67歳の私が、体をもたせるためにやっていること

働く時間を減らすだけでは足りません。私がふだんやっているのは、この3つです。

  • 週2回、ジムで筋トレ(市営と県営を使っています。1回2時間ほど)
  • 仕事から帰ったあと、自宅で30分のストレッチ
  • 足元を軽く見ない(靴とインソールは自分で選んで買っています)
トレーニングルームのマシンとダンベル

私には腰の持病があります。それでも続けられているのは、この習慣があるからだと思っています。効果を保証するものではありませんが、私の場合はこうしています。

くわしくは、それぞれ別の記事に書きました。腰痛のこと靴の選び方筋トレのこと

仕事で履いている靴と、入れ替えて使っているインソール

これから60代で介護の仕事を始める方へ

私は60歳・未経験で始めました。同じことを考えている方に、経験から言えることが2つあります。

一つは、最初からフルタイムでなくてもいいということ。私は最初の3年を週40時間で走りましたが、今から始めるならもう少しゆるく入ると思います。仕事を覚えるのに体力を使うので、そこを甘く見ないほうがいいです。

もう一つは、入る前に「定年と年齢の上限」を聞いておくこと。聞きにくいことではありません。私は聞きました。答え方で職場の姿勢もわかります。

よくある質問

Q. 何歳まで求人はありますか

私は60歳で未経験から採用され、その後も職場を変わっています。今の職場には年齢の上限がなく、83歳の方も補助の仕事で働いています。ただ求人ごとに条件は違うので、募集要項で確認するのが確実です。

Q. 夜勤は何歳までできますか

私の職場には、73歳で週4日の夜勤専属をしていた男性がいました。できる人はできます。ただしその方も、2年ほどで「夜勤は体にきつい」と辞めています。私はやっていません。

Q. 体力がもたないと感じたら、辞めるしかないですか

いいえ。私は辞めずに、時間を2回減らしました。週40時間 → 32時間 → 24時間です。辞めるか続けるかの二択にしないほうが、選べる道は増えます。もちろん、辞めるという判断が正しい場面もあります。

Q. 事故を起こしてしまったときは

私も経験があります。落ち込みます。それは歳に関係なく落ち込むものだと、今は思っています。報告して、次に気をつける。それ以上のことは、その場ではできません。

Q. 60代・未経験でも採用されますか

私がそうでした。60歳、まったくの未経験で入っています。介護の現場は人が足りていないので、年齢よりも「続けてこられるか」を見られている感じがします。面接で聞かれたのも、体のことと、シフトに入れる日のことでした。

Q. 年金をもらいながら働けますか

私は年金を受け取りながら働いています。ただし、受け取る時期や働き方によって条件が変わります。ご自身の場合は年金事務所で確認してください。

夕暮れの帰り道

おわりに

「介護職は何歳まで働けるのか」と検索したとき、出てくるのは求人サイトの記事ばかりでした。制度の話は書いてありますが、実際に60代で現場に立っている人間が、どう働き方を変えてきたかは、あまり書かれていません。

私の答えは一つです。

働けるかどうかではなく、どんな形なら続くか。フルタイムでなくなっても、続けていれば現役です。私は67歳、週24時間で7年目です。

もし今、体がきつくて迷っている方がいたら、辞めるか続けるかを決める前に、働く時間を1日ぶんだけ減らせないかを職場に相談してみてください。私はそれで7年続いています。それでも難しいときは、職場を離れる判断も間違いではありません。

この先どうなるかは、私にもわかりません。ただ、できるだけ長く、介護の仕事を続けていきたいと思っています。

「体力」の中身を数字で書いたものはこちらです。1か月の歩数を全部集計しました。

介護職に体力はどれくらい要る?67歳が月120km歩いた記録

この記事を書いた人
さぶろー

さぶろー/67歳・介護福祉士。60歳で定年退職し、未経験から介護の世界へ。7年目の今もパートで現場に立たせてもらっています。60代が体を壊さずに働き続けるために、自分で試して続いたことを書いています。沖縄在住、犬9匹。週2回のジム通いが日課です。

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