「介護の仕事、移乗のたびに力が足りないと感じる」「腰や肩が心配で、筋トレをしたほうがいいのか迷っている」。そんなふうに感じていませんか。
結論から言うと、介護職に筋トレは必要だと私は考えています。特養では、利用者さんを抱える介助をなくせないからです。
私は67歳です。60歳で介護の仕事を始め、今は特養でパートとして働いて7年目になります。筋トレは腰痛対策で始めて、30年になります。
この記事では、週2回ジムで続けている筋トレと、家でのダンベルとストレッチ、トレーニング中に体が痛むときの対応について、私が実際にやっていることを書きました。
読み終わったあと、ご自分の体に合ったやり方を考えるときの参考になればうれしいです。
介護職に筋トレは必要。特養では、抱える介助をなくせないから
「介護は力ではなく技術」とよく言われます。私もそう思います。
それでも特養では、場面によっては利用者さんを抱える介助が残ります。そのとき頼りになるのは、やはり自分の筋力です。
筋トレで、入浴・トイレ・移乗が全体的にラクになった
筋トレをして、どこか一か所が大きく変わったわけではありません。体全体が底上げされた、という感じです。
入浴介助、トイレ介助、ベッドと車いすの間の移乗。どの場面も、筋トレをしていないときよりラクにこなせています。
しばらく休むと、抱える介助がきつくなる
しばらく筋トレを休むと、抱える介助がきつくなります。これが、私が筋トレを続けているいちばんの理由です。
仕事で歩くだけでは、介護に使う筋肉は保てない
「介護の仕事でこれだけ動いているのだから、運動不足とは無縁では」と思う方もいるかもしれません。
勤務日は11,909歩。それでも、つくのは生活の筋肉
以前、勤務日の歩数を1か月記録しました。平均は11,909歩、距離にすると約7.5kmです。
測った記録は、介護職に体力はどれくらい要る?67歳が月120km歩いた記録に書きました。
よく歩いているほうだと思います。歩くことで、日常生活に必要な下半身の筋肉はつくと感じています。
ただ、利用者さんを支えたり抱えたりする筋肉を保つには、歩くだけでは足りない。これが私の実感です。
力より先に、体の使い方を知る。介助がラクになる5つのコツ
筋力があっても、体の使い方がまずければ腰を痛めます。介護の勉強で「ボディメカニクス」として習う基本です。
私が移乗のときに気をつけているのは、次の5つです。
- 足を開いて、支える面を広く取る:足を開くと、体を支える床の面積(支持基底面)が広がり、ぐらつきにくくなります。
- 利用者さんに体を近づける:離れたまま腕だけで支えると、腰に負担がかかります。
- 膝を曲げて腰を落とす:腰だけを曲げず、脚の力を使います。
- 体をねじらない:向きを変えるときは、足ごと動かします。
- 利用者さんの体を小さくまとめる:腕を組んでもらい、膝を立ててもらうと、軽い力で動かせます。
筋力は、この使い方の上で助けてくれるものだと考えています。
私の筋トレは週2回・5種目。スクワットとベンチは100kgまで
ジムには週2回通い、1回2時間ほどトレーニングしています。公営のジムなので、料金は安く済んでいます。
ジムのことは、市営ジムで筋肉はつくのか ― 筋トレ歴30年・67歳が公営ジムに通い続ける理由に書いています。
メインのスクワットとベンチプレスは、軽い重さから順に上げていきます。
① スクワットは60kg→80kg→100kgと上げていく
- 60kg × 10回 × 3セット
- 80kg × 10回 × 2セット
- 100kg × 5回 × 1セット
バーベルを肩にかついで、しゃがんで立ち上がる種目です。太ももとお尻を中心に、下半身全体を使います。

② ベンチプレスも60kg→80kg→100kg
- 60kg × 10回 × 3セット
- 80kg × 10回 × 2セット
- 100kg × 1〜2回
ベンチにあおむけになり、バーベルを胸から押し上げる種目です。胸・肩・腕を使います。

③ 腹筋は、上部30回×3セット・下部20回×5セット
腹筋は、おなかの上部と下部に分けています。ほかの種目の合間に入れて、休みながら回数をこなします。
④ 肩まわりはダンベルで鍛える
肩まわりはダンベルで鍛えています。肩は痛めやすいところなので、その日の調子を見ながらやっています。
⑤ かかと落としは、つま先の引っかかり対策
鎌田式のかかと落としも続けています。10回×3セットです。歩くときにつま先が引っかかる対策です。
詳しくは、歩くとつま先が地面に引っかかる ― 67歳・介護職が毎日続けている、かかと落としに書きました。
5種目のまとめ
| 種目 | 重さ・回数 | 主に使う場所 |
|---|---|---|
| スクワット | 60kg×10回×3 → 80kg×10回×2 → 100kg×5回×1 | 太もも・お尻 |
| ベンチプレス | 60kg×10回×3 → 80kg×10回×2 → 100kg×1〜2回 | 胸・肩・腕 |
| 腹筋 | 上部30回×3・下部20回×5 | おなか |
| ダンベル | その日の調子で調整 | 肩まわり |
| かかと落とし | 10回×3セット(鎌田式) | ふくらはぎ・足首 |
重さは、30年の積み重ねで今の数字になったものです。目安ではないので、そのまま真似はしないでください。
ジムに行けない週は、家のダンベルで上半身を週3回
ジムに行けない週は、家で週3回ほどダンベルを使います。鍛えるのは主に腕・肩・胸です。

使っているのは、片手10kgまで変えられるダンベル
4〜5年前にAmazonで買った、créerの可変式ダンベルです。片手10kg、2個で20kgのセットです。
プレートを付け替えれば、1セットで腕・肩・胸の種目をまかなえます。

肩を鍛えるときは、5kg以下のダンベルで
肩は痛めやすいので、肩の種目のときは5kg以下のダンベルを使います。
仕事のあとは、家でストレッチを30〜40分
ジムに行かない日は、仕事から帰ったあと、家でストレッチをします。時間は30〜40分。ほぼ全身を伸ばします。
股関節・膝・足首・指の関節を伸ばす
まずは関節からです。股関節、膝、足首、手や足の指を、ひとつずつ伸ばしていきます。
ふくらはぎと太ももは、もみほぐす
立ち仕事で張ったふくらはぎと太ももは、伸ばすだけでなく手でもみほぐします。
お尻や腰まわり、太ももの裏(ハムストリング)は、テニスボールでほぐしています。
痛いところにボールを当てたまま体を動かして、筋肉に刺激を入れます。通っている整形外科で、理学療法士さんに教わったやり方です。
腰・肩・首・手首まで、ほぼ全身
最後に腰まわり、肩まわり、首、手首。介護で使うところは、ほぼ全部伸ばします。


腰と肩は痛めやすい。痛む日は、やめるか軽くする
腰と肩は、仕事で疲れがたまりやすく、トレーニングでも痛めやすいところです。だから無理はしません。
始める前に、ストレッチを十分にする
ジムでも、いきなりバーベルは持ちません。ストレッチを十分にしてから始めます。
重さは、その日の体の調子で決める
メニューは決めていても、毎回同じ重さでやるとは限りません。その日の体の状態を確かめてから、重さを決めています。
痛むときは、その種目をやめるか軽くする
トレーニング中に体のどこかが痛んだら、その種目はやめるか、重さを軽くします。
痛みが続くときは、病院で診てもらうのがいちばんです。
30年、ずっと続いたわけではない
始めたのは腰痛対策から
筋トレを始めたきっかけは、腰痛対策でした。腰痛との付き合いは、腰痛と30年付き合って、67歳の今、介護職を続けていますに書いています。
やったりやらなかったりで、ここまで来た
30年と書くと、毎週欠かさず続けてきたように見えるかもしれません。実際は、やったりやらなかったりです。
それでも67歳の今、週2回ジムに通えています。
よくある質問
Q. 力に自信がないと、介護職は務まらない?
A. 務まります。まずは体の使い方からです。
足を開いて支える面を広く取る。利用者さんに体を近づける。膝を曲げて腰を落とす。体をねじらない。利用者さんの体を小さくまとめる。この5つだけでも、体は安定します。
筋トレは、そのうえで考えれば十分だと思います。
Q. ジム代はいくらかかる?
A. 私は公営のジムに通っているので、安く済んでいます。料金や通い方は、市営ジムで筋肉はつくのかにまとめました。
Q. 食事で気をつけていることは?
A. 朝にタンパク質をとるようにしています。鯖缶をほぼ毎日食べていた話は、鯖缶をほぼ毎日食べた結果|2年続けた67歳介護職の朝食と値上げに書きました。
今の職場で体がもたないと感じたら、職場を変える方法もあります。
まとめ:筋トレは、特養で避けられない、抱える介助に対応するための準備
- 特養では抱える介助をなくせない。だから筋トレは必要
- 仕事で歩くだけでは、介護に使う筋肉は保てない
- 力より先に体の使い方。足を開く・利用者さんに体を近づける・膝を曲げて腰を落とす・体をねじらない・利用者さんの体を小さくまとめる、の5つ
- 週2回ジムで5種目、仕事のあとは家でストレッチ30〜40分
- ジムに行けない週は、家のダンベルで上半身。肩は5kg以下のダンベルで
- 痛む日は、その種目をやめるか軽くする
67歳の今も、この形で特養の仕事を続けています。介護職に必要な体力については、介護職に体力はどれくらい要る?67歳が月120km歩いた記録も参考にしてください。

