本記事にはプロモーションを含みます

介護職は将来性がない?AIでもなくならない理由|67歳特養パート

介護職員が高齢の女性に飲み物を飲ませている様子 介護の仕事と体づくり

「介護職は将来性がない」と聞いて、不安になっていませんか。AIやロボットが入ったら、仕事がなくなるのではと考える方もいると思います。

結論から言うと、介護職の将来性はあるというのが、国や介護の専門家の見方です。

厚生労働省によると、介護が必要な人は今後も増える見込みです。一方で、介護の仕事のなり手は足りず、2023年には介護職員の数が初めて減りました。

厚生労働省の資料によると、国がAIやロボットなどの介護テクノロジーで目指すのは、記録や巡回などの「間接業務」を減らすことです。

浮いた時間は、利用者さんに直接関わる介助に回す考えです。

洗濯や掃除などの周辺業務を任せる人型ロボット(フィジカルAI)も、開発が進んでいます。体に触れる介助は、人が担う方向です。

私は60歳で介護の仕事を始め、今は67歳。特養でパートとして働いて7年目です。職場では2年ほど前、看取りの方のベッドに見守りセンサーを入れました。

この記事では、AIで減る仕事と残る仕事、給料の見通し、見守りセンサーが半年で使われなくなった体験をまとめました。

介護の仕事を続けるか迷っている方の、判断材料の一つになればうれしいです。

  1. 結論:介護職の将来性はある。機械が入っても、最後に確かめるのは人
  2. 「将来性がない」と言われる理由は3つ。給料・人手不足・AIへの不安
    1. 給料は安いと言われる。国の調査では上がってはいるが、他の仕事との差はまだある
    2. 人が足りず、一人の負担が重い。そのぶん働き手は求められている
    3. AIやロボットに仕事を取られる不安がある。国は機械の導入を進めている
  3. 私の特養では、業務改善の一つとして見守りセンサーを入れた
    1. 管理職が中心になり、数年前から業務改善を進めてきた
    2. 対象は看取りの利用者さん。7〜8台をベッドに入れた
    3. 呼吸・心拍・眠りがパソコンで分かり、危ない時はアラームが鳴る
    4. 最初に見た時は「便利なものができた」と思った
  4. 使われなくなった理由は3つ。4人部屋の巡回・自分の目での確認・推進役の退職
    1. 4人部屋なので、ほかの方を見る巡回はどのみち必要だった
    2. 部屋に入るなら、結局は自分の目で確かめるようになった
    3. 推進役の職員が辞めて、そのままになった
  5. 見守りセンサーと定期巡回を比べると、4人部屋では巡回が欠かせない
  6. 今の現場は、離床センサーとナースコールで足りている
  7. よくある質問
    1. Q. AIで介護の仕事はなくなりますか?
    2. Q. 見守りセンサーがあれば、夜の巡回は減りますか?
    3. Q. センサーのアラームで駆けつけたことはありますか?
    4. Q. 60代からでも介護職は続けられますか?
  8. まとめ:機械が入っても、介護の仕事は人の目で成り立っている

結論:介護職の将来性はある。機械が入っても、最後に確かめるのは人

高齢の方の手を両手で包む手

将来性があると言える理由は3つです。

  • 介護が必要な人は増え続け、働き手は2040年度までに約57万人増やす必要がある
  • 給料は上がっていて、2026年6月にも最大で月1.9万円の賃上げがあった
  • AIや機械で減るのは記録や巡回などで、体に触れる介助は人に残る

私の職場でも、それを感じたことがあります。

2年ほど前、見守りセンサーを7〜8台入れました。看取りの利用者さんの呼吸や心拍が、パソコンの画面で分かるシステムです。

それでも、半年ほどで使わなくなりました。今は職員が部屋を回って、直接様子を見ています。

システムが教えてくれるのは、ベッドの上の数字です。部屋に入って様子を確かめるのは、最後は人の仕事です。

「将来性がない」と言われる理由は3つ。給料・人手不足・AIへの不安

給料は安いと言われる。国の調査では上がってはいるが、他の仕事との差はまだある

日本の紙幣と硬貨

介護の仕事は給料が安い、とよく言われます。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとにした資料では、2025年の介護職員の給与は月31.4万円でした。前の年より1.1万円上がっています。

ただ、全産業の平均(役職者を除く)は39.6万円です。差は8.2万円で、前の年(8.3万円)からほとんど縮まっていません。

※金額は賞与の一部を含みます。

2026年6月には、国が介護の給料を上げるために介護報酬を見直しました。

介護の仕事をする人全体に月1万円ほど、ICTや見守り機器の活用などに取り組む事業所の介護職員には、さらに上乗せがあります。

合わせて最大で月1.9万円の賃上げです(定期昇給分を含む)。

国は、2027年度の改定でも物価や賃金の上がり方を反映するとしています。

人が足りず、一人の負担が重い。そのぶん働き手は求められている

休憩中にソファにもたれる看護職員

厚生労働省が第9期介護保険事業計画をもとにまとめた推計では、介護職員は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人必要です。

2022年度の約215万人から、2040年度までに約57万人増やす必要があります。

人が足りないと、一人あたりの仕事は重くなります。「きつい」「将来性がない」と言われる理由の一つです。

裏を返せば、それだけ働き手が求められているということです。

介護の仕事はきつい?|67歳・特養パートが6時間で感じる5つのきつさ

AIやロボットに仕事を取られる不安がある。国は機械の導入を進めている

人型のロボット

2024年、厚生労働省と経済産業省は「介護テクノロジー利用の重点分野」をまとめ、2025年4月から運用を始めました。

介護ロボットやICTなどを使って、職員の負担を減らすのがねらいです。

その中には「見守り・コミュニケーション」という分野があり、施設での見守りも入っています。

AIやセンサーが入れば、人はいらなくなるのでは。そう心配になるのは自然なことだと思います。

介護経営のコンサルタントの小濱道博さんは、介護ニュースサイト「Joint」の記事(2026年3月3日)で、生成AIについてこう書いています。

「AIは思考における補助装置であり、最終判断者ではない」

記録や文書づくりはAIが手伝っても、最後に決めるのは人だということです。

厚生労働省は、介護の仕事を「直接介護」と「間接業務」に分けて考えています。AIや機械で減らすのは、主に間接業務です。

主な仕事
AIや機械が手伝い、減っていく仕事記録・申し送り
計画書の下書き
夜の巡回の一部
洗濯・掃除・片付け
人に残る仕事移乗・排泄・入浴などの介助
会話や気持ちのくみ取り
認知症の方への対応
AIが作った下書きの確認と最終判断

表の中身は、厚生労働省の調査で使われている仕事の分け方と、国の会議資料、人型ロボットの開発計画をもとにまとめました。

私の職場でも、見守りセンサーを入れたことがあります。次に、その結果を書きます。

私の特養では、業務改善の一つとして見守りセンサーを入れた

管理職が中心になり、数年前から業務改善を進めてきた

会議室で打ち合わせをする職員たち

私の施設では数年前から、業務改善を進めています。目的は、サービスの質を上げることと、仕事の無駄を減らすことです。

中心になっているのは、事務所の管理職です。見守りセンサーは、その取り組みの一つでした。

対象は看取りの利用者さん。7〜8台をベッドに入れた

センサーを入れたのは2年ほど前です。看取りの利用者さんのベッドに、7〜8台を付けました。

マットレスの下に敷く、シート状のセンサーです。利用者さんの体には何も着けません。

呼吸・心拍・眠りがパソコンで分かり、危ない時はアラームが鳴る

心拍数などを表示するモニター

この種類のセンサーでは、呼吸数や心拍数(どちらも推定値)、眠っているか起きているか、起き上がりやベッドから離れたことが分かります。

職場では、パソコンの画面でその様子を見られるようにしていました。危ない状態になると、アラームが鳴る設定です。

部屋に行かなくても、看取りの方の様子が分かる。そういう仕組みでした。

最初に見た時は「便利なものができた」と思った

初めて画面を見た時、確かに便利なものができたと思いました。

使われなくなった理由は3つ。4人部屋の巡回・自分の目での確認・推進役の退職

4人部屋なので、ほかの方を見る巡回はどのみち必要だった

夜、ベッドが並ぶ部屋で眠る高齢者

看取りの方も、基本は4人部屋で過ごします。夜間も、同じ部屋のほかの利用者さんの様子を見るため、定期的な巡回が要ります。

センサーが見ているのは、付けた方一人分だけです。巡回そのものは減りませんでした。

部屋に入るなら、結局は自分の目で確かめるようになった

巡回で部屋に入れば、看取りの方の様子もその場で見られます。

いよいよという時は、個室に移ってもらいます。事務作業をするパソコンの近くの部屋で、職員が様子を見やすい場所です。

職員は結局、直接様子を確かめるようになりました。センサーは、いつの間にか使われなくなりました。

私自身、アラームで駆けつけたことは一度もありません。

推進役の職員が辞めて、そのままになった

センサーの導入を進めていたのは、一人の職員でした。

その方が退職したこともあって、今は使われないままになっています。

見守りセンサーと定期巡回を比べると、4人部屋では巡回が欠かせない

見守りセンサー定期巡回
分かること呼吸数・心拍数(推定値)、眠り、起き上がり、離床部屋にいる全員の様子
見える範囲付けた方一人同じ部屋の4人
知らせ方危ない時にアラーム職員が自分で気づく
私の職場では半年ほどで使わなくなった今も続けている

4人部屋では、ほかの方を見る巡回がどのみち必要です。センサーだけでは、巡回を減らせませんでした。

今の現場は、離床センサーとナースコールで足りている

ナースコールのボタンを握る手

私の施設のベッドには、もともと離床センサーとナースコールが付いています。ベッドから離れた時や、利用者さんが職員を呼びたい時は、これで分かります。

今のところ現場では、新しい見守りセンサーが必要だという声は出ていないようです。

よくある質問

Q. AIで介護の仕事はなくなりますか?

A. なくならない、というのが国や介護の専門家の見方です。AIや機械で減るのは記録や巡回などの間接業務で、体に触れる介助は人が担います。

私の職場では、見守りセンサーを入れた後も、利用者さんの様子は職員が部屋に入って確かめています。

Q. 見守りセンサーがあれば、夜の巡回は減りますか?

A. 4人部屋の私の職場では、減りませんでした。センサーが見るのは付けた方一人分で、同じ部屋のほかの方を確かめるのに巡回が要るためです。

Q. センサーのアラームで駆けつけたことはありますか?

A. 私は一度もありません。

Q. 60代からでも介護職は続けられますか?

A. 私は60歳で始めて、67歳の今も続けています。週24時間というペースです。続け方は、別の記事にまとめました。

介護職は何歳まで働けるのか ― 67歳・7年目、週24時間という続け方

まとめ:機械が入っても、介護の仕事は人の目で成り立っている

  • 「将来性がない」と言われる理由は、給料・人手不足・AIへの不安の3つ
  • 給料は上がってきているが、他の仕事との差はまだある。2026年6月には最大で月1.9万円の賃上げ
  • 働き手は2040年度までに約57万人増やす必要がある
  • AIや機械で減るのは記録や巡回などの間接業務。体に触れる介助は人に残る
  • 私の特養では見守りセンサーを入れたが、4人部屋の巡回は減らず、半年ほどで使わなくなった
  • 機械が入っても、利用者さんの様子を確かめるのは人

今の職場の先行きが気になる方は、ほかの施設の求人を見ておくのも一つです。

職場を選ぶ時に見ておきたいことは、こちらにまとめています。

介護の職場見学で見るべきこと|60代・7年で4つの職場

タイトルとURLをコピーしました