パートなのに、正職員と同じ量の仕事を求められる。断っていいのか、分からない。そんなモヤモヤはありませんか。
パートの仕事は、どこまでやればいいのか。
私も同じでした。働きはじめたころはやる気満々で、頼まれるまま何でも引き受けていましたが、パートなのにここまでやるのかと矛盾を感じて、結局当時の職場を辞めました。
私は60歳で介護の仕事を始め、7年で4つの職場を経験しました。今は特別養護老人ホームのパートとして、朝8時から14時まで働いています。
この記事では、パートがやる仕事・やらない仕事と、67歳の今も迷いながら決めている私の線引きをお話しします。
読めば、頼まれた仕事を引き受けるか断るかの判断材料になります。
先に結論を書くと、パートの仕事は「決められた時間の中の介護」までです。重い責任のある役目は、正職員や専門の職員の仕事だと思います。

パートの仕事は「時間内の介護」まで|やる仕事・やらない仕事

パートの仕事は、決められた勤務時間の中でする介護までです。
月ごとの記録や家族への説明のように、重い責任のある役目は、正職員や相談員の仕事だと思います。
私が働く特養の、パートの仕事を表にしました。
| 仕事 | パートは |
|---|---|
| 配膳と食事介助 | やる |
| 入浴介助 | やる |
| オムツ交換・トイレ介助 | やる |
| 車いすでの移動・見守り | やる |
| 看護師さんとの傷のケア | 手伝う |
| 介護記録のパソコン入力 | やる(そのつど) |
| 利用者さんごとの月ごとの記録 | やらない(正職員) |
| 事故検討会議 | 参加する |
| 家族への説明 | やらない(相談員) |
| お薬の与薬・医療行為 | やらない |
| 夜勤・リーダー役 | ない |
介護記録は、正職員もパートも関係なく、そのつどパソコンに入力します。利用者さん一人ひとりの月ごとの記録は、正職員の仕事です。
パートの勤務時間に深夜はないので、夜勤はありません。リーダー役も回ってきません。
今の特養には、レクリエーションがありません。前に働いたデイサービスやデイケアでは、パートにもレクの担当がありました。
同じパートでも、職場によって仕事の中身は変わります。
新人指導や委員会を頼まれたら、引き受ける前に3つ確かめる

新人指導や委員会のように、正職員と同じような仕事を頼まれたら、私は引き受ける前に3つを確かめます。
- 何をする仕事か
- パートの勤務時間の中で終わるか
- 無理せずこなせるか
職場の人手が足りない事情は、働いていればよく分かります。だから、時間内に無理なくできることなら引き受けます。
やってみて無理なら、途中でもやめます。無理はしません。
ただ、時間内に終わらない仕事まで抱えると、長くは続きません。働きはじめたころの私が、そうでした。
今の特養で、新人の指導や委員会を頼まれたことは、私はまだありません。それでも、もし頼まれたら、まず中身を聞いてから返事をします。無理なら、はっきり断ります。
引き受けるかどうかは、「時間内に無理なくできるか」で決めていい。私はそう考えています。
パートと正社員の違いは時給・賞与・責任|パートの時給は1,323円

パートと正職員では、お金も違います。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに、施設で働く介護職員の賃金を比べました(全国平均)。
| パート | フルタイム | |
|---|---|---|
| 時給 | 1,323円 | 約1,567円 |
| 年間の賞与 | 約7万円 | 50万円あまり |
※フルタイムの時給は、月給を時間あたりに直した額です。夜勤手当や残業代は含みません。
働く時間も報酬も違うのですから、負う責任の重さが違うのも当然のこと。私はそう思っています。
一方で、介護の賃金は、世の中の平均より低いのです。
フルタイムの時給(約1,567円)は、全産業平均(約2,065円)の4分の3ほどしかありません。
体を使い、命を預かる仕事の値段としては、安すぎると感じています。
国には、着実な底上げをお願いしたい。
事故が起きても、パートが全部背負わなくていい

「事故が起きたらどうしよう」という不安は、誰にでもありますよね。よく分かります。
私が今いる特別養護老人ホームでも、病院に行くほどの事故が過去に何度かありました。
そういうときは事故検討会議が開かれるのですが、その会議のリーダーを務めるのも、記録を書くのも正職員です。
家族とのやり取りは事務所の相談員が窓口になってくれて、現場の介護職員が直接家族と話す場面は、ほとんどありません。
つまり、重い対応には、それを担当する専門のスタッフがちゃんといるのです。
事故に居合わせた本人が、個人的に重く受け止めるのは当然のことです。ただ、そのあとの事故処理は専門の職員の仕事です。
だから、家族への説明や事故の記録を「私が全部背負わなきゃ」と思い込まなくて大丈夫。不安なときは、その場で正職員や相談員に伝えて任せる。
それでいいのだと、私は思っています。
お薬の与薬は条件つき|私の職場ではパートはしない

パートが迷いやすいのが、お薬だと思います。
配薬と与薬の違い
介護の現場では、「配薬(はいやく)」と「与薬(よやく)」を分けて使います。
配薬は、その方のお薬を仕分けて、手元に準備するところまで。与薬は、実際に飲んでいただくところまでを指します。
似ているようで、責任の重さがまるで違います。ここから先は「与薬」の話です。
与薬できる2つの前提
一包化された(1回分ずつ袋にまとめられた)お薬の与薬はできますが、いくつか前提があります。
まず、医師か看護師が「この方は容態が安定していて、飲み込みに特別な配慮もいらない」と確認していること。
そのうえで、ご本人やご家族から「介護職員が介助してよい」という依頼があること。
以上は施設側が確認するべきことです。この2つがそろって、はじめて私たちが与薬できます。
裏を返すと、たとえば最近むせることが増えた方に、いつもの調子で与薬するのは危ないということです。
飲み込みの様子がいつもと違うと感じたら、その日は看護師さんに伝える。決まりが細かいのは、そういう場面で立ち止まれるようにするためなのだと思います。
私の職場では、パートは与薬しない
ちなみに、私が今勤めている特養では、パート職員はお薬の与薬をしないことになっています。
パートは勤務する時間が限られていて、利用者さんの状況を正確に把握できない場合があるからです。
こうしてはっきり線を引いてくれる施設は、働く側としてはありがたいですね。
帰り際に頼まれた仕事は「もう時間ですので」と断る

パートが長く続けるために欠かせないのが「時間で切り上げる」ことです。
現場は忙しいので、帰る間際にちょっとした仕事を頼まれることがよくあります。そこでついつい引き受けてしまうと、それが当たり前になってしまうんですね。
私は「もう時間ですので」とはっきり伝えて、断って帰るようにしています。一度これを普通にしてしまえば、周りもそういう人だと分かってくれます。
本当は、良い上司なら「もう上がっていいよ」と声をかけてくれます。でも忙しいときはそうならないことも多い。
だからこそ、自分から「お先に失礼します」と申し出ることが大事です。
パートは、決められた時間を一生懸命働けば十分。時間が来たら気持ちを切り替える——この姿勢が、心と体を守ってくれます。
まとめ:パートはどこまでやるか 私流の線引き
パートの仕事は「決められた時間の中の介護」まで。大切なことは3つです。
- 新人指導や委員会を頼まれたら、中身を聞き、時間内に無理なくできれば引き受ける
- 事故検討会議には参加するが、家族への説明は相談員に任せる
- 帰り際に頼まれた仕事は「もう時間ですので」と断る
それでも無理な役割が続くなら、辞める選択肢もあります。私自身、デイサービスとデイケアをそれで辞めました。
もちろん、職場のルールは踏まえたうえで、自分の考えや希望はきちんと伝えることが大切です。
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よくある質問
Q. パートなのに正職員と同じ仕事を頼まれます。断っていいですか?
仕事の範囲は施設ごとに大きく違います。私は、時間内に無理なくできるかで決めています。できなければ断ってよいと思います。
私は時間で区切ることを決めていて、帰り際に頼まれた仕事は「もう時間ですので」と断って帰ります。
Q. パートでも事故の責任を取らされますか?
私のいる特養では、事故検討会議のリーダーも記録も正職員が務め、家族とのやり取りは相談員が窓口になります。
居合わせた本人が重く受け止めるのは当然ですが、そのあとの処理を一人で背負う必要はありません。その場で正職員や相談員に伝えて任せます。
Q. パートはお薬を飲ませていいのですか?
一包化されたお薬の与薬は、医師か看護師が容態の安定を確認し、本人や家族から依頼があるという前提がそろえばできます。
ただし私の職場では、パート職員は与薬をしない決まりです。勤務時間が限られ、利用者さんの状況を正確に把握できない場合があるからです。
長く元気に働き続けるために、あなたなりの心地よい線引きを、少しずつ見つけていってくださいね。
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