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介護パートなのに正社員と同じ仕事?どこまでするか、60代・7年目の線引き

書類の束を手渡される60代の男性介護職員のイラスト。「パートなのに、そこまで? 60代・介護職7年目の線引き」の文字 介護の仕事と体づくり

パートなのに、正職員と同じ量の仕事を求められる。断っていいのか、分からない。そんなモヤモヤはありませんか。

パートの仕事は、どこまでやればいいのか。

私も同じでした。働きはじめたころはやる気満々で、頼まれるまま何でも引き受けていましたが、パートなのにここまでやるのかと矛盾を感じて、結局当時の職場を辞めました。

私は60歳で介護の仕事を始め、7年で4つの職場を経験しました。今は特別養護老人ホームのパートとして、朝8時から14時まで働いています。

この記事では、パートがやる仕事・やらない仕事と、67歳の今も迷いながら決めている私の線引きをお話しします。

読めば、頼まれた仕事を引き受けるか断るかの判断材料になります。

先に結論を書くと、パートの仕事は「決められた時間の中の介護」までです。重い責任のある役目は、正職員や専門の職員の仕事だと思います。

仕事のあと、休憩室のベンチで考えこむ60代の男性介護職員のイラスト
※画像は生成AIで作成したイメージです

パートの仕事は「時間内の介護」まで|やる仕事・やらない仕事

特養の食堂で、車いすの利用者さんに配膳と食事介助をする介護職員たちのイラスト
※画像は生成AIで作成したイメージです

パートの仕事は、決められた勤務時間の中でする介護までです。

月ごとの記録や家族への説明のように、重い責任のある役目は、正職員や相談員の仕事だと思います。

私が働く特養の、パートの仕事を表にしました。

仕事パートは
配膳と食事介助やる
入浴介助やる
オムツ交換・トイレ介助やる
車いすでの移動・見守りやる
看護師さんとの傷のケア手伝う
介護記録のパソコン入力やる(そのつど)
利用者さんごとの月ごとの記録やらない(正職員)
事故検討会議参加する
家族への説明やらない(相談員)
お薬の与薬・医療行為やらない
夜勤・リーダー役ない

介護記録は、正職員もパートも関係なく、そのつどパソコンに入力します。利用者さん一人ひとりの月ごとの記録は、正職員の仕事です。

パートの勤務時間に深夜はないので、夜勤はありません。リーダー役も回ってきません。

今の特養には、レクリエーションがありません。前に働いたデイサービスやデイケアでは、パートにもレクの担当がありました。

同じパートでも、職場によって仕事の中身は変わります。

新人指導や委員会を頼まれたら、引き受ける前に3つ確かめる

廊下で、ノートを手にした職員の話を聞く60代の男性介護職員のイラスト
※画像は生成AIで作成したイメージです

新人指導や委員会のように、正職員と同じような仕事を頼まれたら、私は引き受ける前に3つを確かめます。

  • 何をする仕事か
  • パートの勤務時間の中で終わるか
  • 無理せずこなせるか

職場の人手が足りない事情は、働いていればよく分かります。だから、時間内に無理なくできることなら引き受けます。

やってみて無理なら、途中でもやめます。無理はしません。

ただ、時間内に終わらない仕事まで抱えると、長くは続きません。働きはじめたころの私が、そうでした。

今の特養で、新人の指導や委員会を頼まれたことは、私はまだありません。それでも、もし頼まれたら、まず中身を聞いてから返事をします。無理なら、はっきり断ります。

引き受けるかどうかは、「時間内に無理なくできるか」で決めていい。私はそう考えています。

パートと正社員の違いは時給・賞与・責任|パートの時給は1,323円

自宅のテーブルで給与明細を見る60代の男性のイラスト
※画像は生成AIで作成したイメージです

パートと正職員では、お金も違います。

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに、施設で働く介護職員の賃金を比べました(全国平均)。

パートフルタイム
時給1,323円約1,567円
年間の賞与約7万円50万円あまり

※フルタイムの時給は、月給を時間あたりに直した額です。夜勤手当や残業代は含みません。

働く時間も報酬も違うのですから、負う責任の重さが違うのも当然のこと。私はそう思っています。

一方で、介護の賃金は、世の中の平均より低いのです。

フルタイムの時給(約1,567円)は、全産業平均(約2,065円)の4分の3ほどしかありません。

体を使い、命を預かる仕事の値段としては、安すぎると感じています。

国には、着実な底上げをお願いしたい。

事故が起きても、パートが全部背負わなくていい

会議室で事故検討会議に参加する介護職員たちのイラスト
※画像は生成AIで作成したイメージです

「事故が起きたらどうしよう」という不安は、誰にでもありますよね。よく分かります。

私が今いる特別養護老人ホームでも、病院に行くほどの事故が過去に何度かありました。

そういうときは事故検討会議が開かれるのですが、その会議のリーダーを務めるのも、記録を書くのも正職員です。

家族とのやり取りは事務所の相談員が窓口になってくれて、現場の介護職員が直接家族と話す場面は、ほとんどありません。

つまり、重い対応には、それを担当する専門のスタッフがちゃんといるのです。

事故に居合わせた本人が、個人的に重く受け止めるのは当然のことです。ただ、そのあとの事故処理は専門の職員の仕事です。

だから、家族への説明や事故の記録を「私が全部背負わなきゃ」と思い込まなくて大丈夫。不安なときは、その場で正職員や相談員に伝えて任せる。

それでいいのだと、私は思っています。

お薬の与薬は条件つき|私の職場ではパートはしない

看護師が薬を準備する横で、車いすを押す60代の男性介護職員のイラスト
※画像は生成AIで作成したイメージです

パートが迷いやすいのが、お薬だと思います。

配薬と与薬の違い

介護の現場では、「配薬(はいやく)」と「与薬(よやく)」を分けて使います。

配薬は、その方のお薬を仕分けて、手元に準備するところまで。与薬は、実際に飲んでいただくところまでを指します。

似ているようで、責任の重さがまるで違います。ここから先は「与薬」の話です。

与薬できる2つの前提

一包化された(1回分ずつ袋にまとめられた)お薬の与薬はできますが、いくつか前提があります。

まず、医師か看護師が「この方は容態が安定していて、飲み込みに特別な配慮もいらない」と確認していること。

そのうえで、ご本人やご家族から「介護職員が介助してよい」という依頼があること。

以上は施設側が確認するべきことです。この2つがそろって、はじめて私たちが与薬できます。

裏を返すと、たとえば最近むせることが増えた方に、いつもの調子で与薬するのは危ないということです。

飲み込みの様子がいつもと違うと感じたら、その日は看護師さんに伝える。決まりが細かいのは、そういう場面で立ち止まれるようにするためなのだと思います。

私の職場では、パートは与薬しない

ちなみに、私が今勤めている特養では、パート職員はお薬の与薬をしないことになっています。

パートは勤務する時間が限られていて、利用者さんの状況を正確に把握できない場合があるからです。

こうしてはっきり線を引いてくれる施設は、働く側としてはありがたいですね。

帰り際に頼まれた仕事は「もう時間ですので」と断る

職員通用口で若い職員に会釈して帰る60代の男性のイラスト
※画像は生成AIで作成したイメージです

パートが長く続けるために欠かせないのが「時間で切り上げる」ことです。

現場は忙しいので、帰る間際にちょっとした仕事を頼まれることがよくあります。そこでついつい引き受けてしまうと、それが当たり前になってしまうんですね。

私は「もう時間ですので」とはっきり伝えて、断って帰るようにしています。一度これを普通にしてしまえば、周りもそういう人だと分かってくれます。

本当は、良い上司なら「もう上がっていいよ」と声をかけてくれます。でも忙しいときはそうならないことも多い。

だからこそ、自分から「お先に失礼します」と申し出ることが大事です。

パートは、決められた時間を一生懸命働けば十分。時間が来たら気持ちを切り替える——この姿勢が、心と体を守ってくれます。

まとめ:パートはどこまでやるか 私流の線引き

パートの仕事は「決められた時間の中の介護」まで。大切なことは3つです。

  • 新人指導や委員会を頼まれたら、中身を聞き、時間内に無理なくできれば引き受ける
  • 事故検討会議には参加するが、家族への説明は相談員に任せる
  • 帰り際に頼まれた仕事は「もう時間ですので」と断る

それでも無理な役割が続くなら、辞める選択肢もあります。私自身、デイサービスとデイケアをそれで辞めました。

もちろん、職場のルールは踏まえたうえで、自分の考えや希望はきちんと伝えることが大切です。

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窓辺に車いすが置かれた、明るい介護施設の廊下のイラスト
※画像は生成AIで作成したイメージです

よくある質問

Q. パートなのに正職員と同じ仕事を頼まれます。断っていいですか?

仕事の範囲は施設ごとに大きく違います。私は、時間内に無理なくできるかで決めています。できなければ断ってよいと思います。

私は時間で区切ることを決めていて、帰り際に頼まれた仕事は「もう時間ですので」と断って帰ります。

Q. パートでも事故の責任を取らされますか?

私のいる特養では、事故検討会議のリーダーも記録も正職員が務め、家族とのやり取りは相談員が窓口になります。

居合わせた本人が重く受け止めるのは当然ですが、そのあとの処理を一人で背負う必要はありません。その場で正職員や相談員に伝えて任せます。

Q. パートはお薬を飲ませていいのですか?

一包化されたお薬の与薬は、医師か看護師が容態の安定を確認し、本人や家族から依頼があるという前提がそろえばできます。

ただし私の職場では、パート職員は与薬をしない決まりです。勤務時間が限られ、利用者さんの状況を正確に把握できない場合があるからです。

長く元気に働き続けるために、あなたなりの心地よい線引きを、少しずつ見つけていってくださいね。

体がつらくて線引きどころではない、というときは、介護職の腰痛|辞める前に休むという選択と傷病手当金を。

辞めるかどうかで迷っているなら、介護パートが続かない4つの理由 ― 60代・7年目が見てきたことにも書いています。

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