平らな廊下で、左足のつま先が引っかかる。
段差はありません。物も落ちていません。何もないところで、つま先だけが床に残る感じです。
私は67歳、介護職7年目です。これが、たまに起きます。転んだことはありません。ただ、同じ引っかかり方で、目の前で転んだ人を見ています。
この記事は、「つま先が引っかかる」に対して私が取っている対策の記録です。
引っかかるのは、平らな廊下

起きる場所と条件は、だいたい決まっています。
- 場所は施設の廊下。平らで、段差はない
- 引っかかるのは左足だけ
- 疲れている時間帯に多い
- 前に倒れそうになる。その瞬間に右足が大きく一歩出て、体を支えるので転ばない
「あぶない」と思う前に、右足が出ています。頭で判断しているわけではなく、足が勝手に動いている感じです。だから今のところ、転んでいません。
なぜ引っかかるのか

理学療法士や靴の専門家の解説を読むと、共通して書いてあることが3つありました。
- 歩いているとき、振り出した足のつま先と床のすき間は、数センチしかない
- そのすき間は、足首を反らす(すねの前側の筋肉)・膝を曲げる・股関節を曲げる、の3つの動きで作られる
- 疲れてくると、その余裕が減る
私の「疲れている時間帯に多い」は、これで説明がつきました。すき間が数センチなら、少し上がりきらないだけで床に当たります。
同じ引っかかり方で、目の前で転んだ人
職場の70代の補助員さん(女性)が、私の目の前で転びました。
私と同じです。平らな床で、左足のつま先が引っかかって、前に倒れました。違ったのは、両手に物を持っていたこと。手が出ませんでした。そのまま頭から床に落ちました。
かなり強く打って血が出て、労災で治療を受けていました。当初は骨折しているのではないかと、まわりはとても心配しましたが、骨折はしていませんでした。
4、5日後には復職して、仕事ぶりは、それまでと変わりません。
引っかかり方は同じ。私は右足が出て、その人は出なかった。両手がふさがっていた。差はそれだけです。
介護の仕事は、両手がふさがっている時間が長い仕事です。食事のトレー、洗濯物、利用者さんの手。同じような状況であれば、私も転倒していたかもしれません。
40代の同僚も、引っかかっている
同じ職場の介護職で、廊下でつま先が引っかかっている人を何人も見ています。年齢は40代から60代までいます。
見かけると、お互いに苦笑いです。「私もです」という顔になります。転倒事故になっていないだけで、引っかかり自体は珍しくありません。
70代の話を書きましたが、40代の同僚でも引っかかることがあります。
転倒は、労災でいちばん多い

数字だけ、置いておきます。
厚生労働省が2026年9月に、高齢の働き手の労災を防ぐための冊子を公表しました。共同通信の記事(2026年9月22日配信)によると、要点はこうです。
- 労災の事故の型で、いちばん多いのは転倒
- 転倒で亡くなった人と、4日以上仕事を休んだ人は、2025年に37,195人。労災全体の3割近く。2015年から約1万1千人増えている
- 働いている人のうち、60歳以上は2025年で約2割
- 2026年4月に施行された改正労働安全衛生法で、高齢者の特性に配慮した労災防止の対策が、会社の努力義務になった
冊子には、段差をなくす、照明で影を作らない、床の配線をしまう、ヒヤリハットを集める、定期的に体力を測る、といった会社側の対策が並んでいます。
会社がやることは会社がやる。私にも、自己流ですが、自分で取っている対策があります。
60歳から続けている「かかと落とし」

私がやっているのは、かかと落としです。
きっかけは、医師の鎌田實さんの本でした。『70歳、医師の僕がたどり着いた 鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(集英社)。
動きは、集英社の公式動画で鎌田さんご本人が実演しています(1分53秒)。字幕が二重に出る場合は、動画右上の「CC」を押すと消えます。
やり方と回数(私の場合)
| 項目 | 私のやり方 |
|---|---|
| 動き | つま先立ちになって、かかとをストンと落とす |
| 回数 | 10回×3セット |
| いつ | 仕事が終わってから、毎日のストレッチの中で |
| どこで | 家では窓に手をついて。ジムでは何かをつかんで |
| ほかに | 週2回の筋トレ(市営ジム)でも、種目の合間に同じセットを入れる |
| いつから | 60歳から。今年で7年目 |
動きは、これだけです。道具はいりません。
数え方は、こうです。1、2でつま先を上げる。3、4でかかとを上げる。5で力を抜いて、かかとを落とす。1、2、3、4、5。これで1回です。これを10回やります。私の場合、セットとセットの間には、別のストレッチをはさんでいます。
私の実感では、ふくらはぎと、すね側(つま先を上げる筋肉)の両方に来ます。つま先が引っかかるのは、つま先が上がりきっていないからだと自分では思っているので、この筋肉を鍛えているつもりです。
7年やって、変わったこと・変わらないこと

変わったこと。引っかかる回数は、確かに減ってきた感覚があります。
変わらないこと。ゼロにはなっていません。疲れている時間帯には、今も出ます。
回数を数えてきたわけではないので、「月に何回が何回になった」とまでは言えませんが、減った感覚はあります。
ひとつだけ。つま先の引っかかりは、神経や脳の病気を心配して調べる人も多い症状です。医師監修のサイトには、すぐ受診すべきサインとして、次のようなものが挙げられています。
- 急に上がらなくなった。短い期間で悪くなった
- 同じ側の顔がゆがむ
- 激しい頭痛や、しびれを伴う
私は「疲れたときだけ」「左だけ」「右足が出る」という状態なので、様子を見ています。こうしたサインがあれば、私なら病院に行きます。
自分で確かめてみたこと

理学療法士のサイトに、自分でできる確認が載っていたので、やってみました。
| 確認 | 結果 |
|---|---|
| 靴底の減り方 | 右足のかかとの外側が早く減る。左のつま先は削れていない |
| かかと立ち(つま先を上げて立つ) | 左右とも、できる |
| 歩く音 | 左右で変わらない |
はっきりした左右差は出ませんでした。それでも、引っかかるのは左だけです。原因を自分で決めつけないほうがいい、というのが確かめた結果です。
靴とインソールも、半分は関係している

引っかかりの原因が足の筋肉だけかというと、そうでもないと思っています。
靴については、7年でたどり着いた5つの条件を「介護職の靴の選び方」に書きました。足型を測ってもらったら、左右差が3mmありました。左足が引っかかることと関係があるのかは分かりません。ただ、靴とインソールを変えてから、足の疲れ方は変わりました。
体力のほうは、月に120km歩いた記録を別の記事にまとめています。
まとめ
- 平らな廊下で、左足のつま先が引っかかる。疲れた時間帯に多い
- 右足が一歩出るから転ばない。出なければ、目の前で見た転倒と同じになる
- 40代の同僚も引っかかっている。年のせいだけではない
- かかと落とし、10回×3セット、毎日。60歳から7年
- 減ってきた。ゼロではない
- 続くなら、受診
よくある質問
Q. かかと落としは何回やればいいですか?
A. 私は10回×3セットに決めています。理由は、それなら毎日続くからです。回数より、続くかどうかで決めました。
Q. 家のどこでやっていますか?
A. 窓に手をついてやっています。つかまる場所があれば、どこでもできます。
Q. 何歳から始めても間に合いますか?
A. 分かりません。私は60歳からで、67歳の今、減った実感があります。40代の同僚が引っかかっているのを見ると、早いほうがいいとは思います。
Q. つま先が引っかかるのは、年のせいですか?
A. 私の職場では40代から出ています。年のせいで片づけると、40代で対策が始められません。
介護職を何歳まで続けられるかは、介護職は何歳まで働けるのかに書きました。

